学生審判について

【記事】学生審判員の育成と発展について

堀 格郎さん
(RA中国 岡山県担当、岡山県サッカー協会所属、サッカー1級審判員)

Prologue

1.プロローグ

岡山県からは、県内の大学生の育成と発展について報告したいと思います。

 公式戦の増加に伴い2019年度から岡山県学生サッカー連盟主催試合に審判派遣をすることをメインとした岡山県学生サッカー連盟審判部を立ち上げました。

この取り組みは、岡山県サッカー協会審判委員会と岡山県学生サッカー連盟の協働で運営する組織です。活動理念としては、『学生審判を通じて、人間力の育成とサッカー競技の精神の理解』を掲げ、審判のレベルアップだけではなく、これから社会人になるために必要な自主自立や協調性も高めることを目指しています。

 2019年度から活動を始め、少しずつ学生主体組織へ編成しつつ(図1)、今年度が5年目になりますが、現在までの岡山県学生サッカー連盟主催試合の全ての公式戦を学生審判のみで運営できております。

 また2022年度から中国学連審判部も立ち上がり、少しずつですが、継続的な学生審判育成が可能な地域になってきていると思います。

 そこで今回は、2019年度立ち上げ当初から岡山県学連審判部に所属し、大学院生の今も一緒に活動してくれているサッカー2級審判員の吉備国際大学大学院1年田口新さんに岡山県と中国学連審判部のこと、RAJのことなどをインタビューしました。

Interview

2.田口さんへのインタビュー

サッカー2級審判員 田口 新さん(吉備国際大学大学院1年)

Q1.岡山県の大学生審判員の現状について感じることを教えて下さい。

大学生審判員に多くの試合を割り当てていただける環境にあるのは非常にありがたいです。多くの貴重な経験を積むことができています。そして上を目指して頑張る大学生が多いのも特徴です。日々良き審判仲間として切磋琢磨できる環境があることはとても良いことです。こうした大学生審判員の活躍は、他の年代の審判員にも良い影響を与えていると感じています。

Q2. 岡山県の学連審判部の活動はどうですか?

級に関係なく意欲的に活動している学生が多く、活発な組織だと感じています。実地とオンラインによる定期的な研修会の開催により知識や技術のアップデートができていますし、何よりも1級審判員の堀格郎氏と1級INSの青木隆氏が支えてくださることは、どの学生にとっても心強い存在です。最近では、学生同士でアドバイスし合ったりディスカッションしたりと、更に良い組織にしていくために自ら考えて行動する人が増えてきたと感じています。これらのことからも、審判員としても人間としても大きく成長できる場として岡山県学連審判部は重要な役割を果たしていると感じています。

Q3. 中国地域の学連審判部が立ち上がりましたが、今後期待することは何ですか?

中国地域の大学サッカーを支える立場として、多くの大学生審判員に中国学連審判部の活動に参加してほしいと思います。他県にも同じ志を持った仲間ができることは良い刺激になりますし、経験豊富な指導者の皆さんに出会えることも自分自身のレベルアップにも繋がると思います。将来的には他地域との交流を深めるなど、大学生審判員の活動の場が広がってほしいです。

Q4.RAJやRA中国の活動や情報を活用していることはありますか?

RAJから年4回発行される機関紙は、他地域の情報や経験豊富な審判員や指導者の皆さんのインタビューや報告を読むことにより、自分の審判員としての視野を広げることに大いに活用しています。RA中国理事の木村孝行氏からも頻繁に他県RAの記事を送っていただいており、他県RAの活動状況を知ることや競技規則の理解を深めることにも役立っています。

Q5.今後の夢や目標をお教えください。

1級審判員になりたいです。そのためには目の前の割り当てていただいた試合を全力でこなすことや、大学院での研究も頑張りたいと思っています。サッカー人である前にまずは人としての大切なことや経験を得て、たくさんの人に応援してもらえるような魅力と信頼のある審判員になりたいと思っています。

 

Finally

3.最後に

岡山駅前

岡山県学連審判部と中国学連審判部を発展することにより、学生審判のレベルアップだけに留まらず、学生審判の的確な判定とマネジメントにより中国地域の競技レベルが向上することも目標にしております。

 今後も審判側だけではなく、技術側とも横断的な意見交換や交流を行い、さらなる発展と展開を目指して、活動を続けていきたいと思っております。