JFA審判マネージャー
西村雄一氏の
講演を聞いて
RA鳥取 西原 賢
2025年5月9日 島根県出雲市で、西村さんの講演を聞く機会を得ました。翌日からINS研修が出雲市であったので、ちょうどよいタイミングと思い、参加しました。講演のテーマは「マネージメント」でした。どうすれは、良いマネージメントができるのか。これは、みなさん同様、私の課題でもありました。雄一さんは、「基本的にサッカーが好き」。ここを基本に、「競技者、ベンチスタッフと同じ目標を持って相手を理解し、合意を導き、楽しいサッカーを進行すること」を大切に考えられたようです。
雄一さんは、審判員の前は、チームのコーチをされていたようです。ベンチで見ていると判定に疑問が出てくるので、審判員を目指されたようです。コーチは自分のチームを喜ばせる。審判員は、両チームを喜ばせる。ここらあたりも雄一さんの考え方の根底にあるものと感じました。雄一さんは、マネージメントの基本を「人が悪いのではなく、その行為が悪い」「自分を納得することだけでなく、みんなが納得できることが大切」とも言っておられます。
例えば、Aチームが攻められていて、AチームDFが「DOGSO」の状況で相手FWをホールディングの反則を犯したとしましょう。主審はレッドカードで退場をさせるのですが、その時、AチームDFに対し、「なんてことするんだ。退場だ!!」という気持ちで、レッドカードを示すか、反則を受けた競技者を意識しながら、「うん、あなたがそうしないと、GKと1対1になって点を取られる可能性が高くなるから。だから、ホールディングをせざるを得なかったですよね。わかりますその気持ち。でもその行為は、反則だし。サッカーで最高の喜びである得点の機会を奪ったから、今後この試合でサッカーをさせるわけにいかないからね」みたいな気持ちでレッドカードを示すとでは、カードを示すタイミングも変わるし、反則をした競技者も反則を受けた競技者も気持ちが変わってくると思います。
また、雄一さんは、競技者とのコミュニケーションの取り方をこのように言っておられます。「コミュニケーションは話術ではなく、競技場に入った時からの「誠意ある振舞」」だと。また、「コミュニケーション=正論を言うことでない。実は正論を言われるくらい人は不愉快になる。相手を理解しないで、勝手に自分がいいと思うだけ。その人の気持ちになって声掛けをしよう」。皆さんは、競技場に着いて、運営の関係者に自ら挨拶しますよね。競技場でアップをしている時、ボールが足元に来ました。どうしますか。
試合中は、審判団、競技者同士が互いにリスペクトしあう関係を常に問い続けてみてください。
最後に、雄一さんは若い審判員にメッセージを残されています。
- 夢中になってください
- 準備していないことは実現できない
- チャレンジしないとチャンスはつかめない。チャレンジして失敗してもいいのでは。
若い審判員の皆さん、あなたの近くに常に雄一さんはいませんが、経験豊富な先輩審判員やINSがいます。アドバイスを受けチャレンジし、失敗してもさらに準備しチャレンジし、夢中になってください。

さて、文中あえて、「雄一さん」と書かせていただきました。実は西原にとって、「西村さん」と言えば、鳥取県1級審判員西村幹也氏のお父さんの顔が一番に浮かびます。そのこととその理由を説明し、「雄一さん」と呼んでよいかお聞きしたところ、快諾していただきました。早速使わせていただきました。

雄一さん、ありがとうございました。
RA鳥取 西原 賢