フットサルレフェリーの魅力
Football × Futsal
フットサル国際審判員(Fリーグ担当審判員)
脇田 栄太
〇これまでの歩み
氏名 脇田 栄太 (わきだ えいた)
生年月日 1994年9月3日
出身地 広島県東広島市
(審判歴)
2016年 フットサル4級
2016年 フットサル3級
2017年 フットサル2級
2022年 フットサル1級
2025年 フットサル国際
(競技歴)
サッカー歴 12年(小学~大学)
フットサル歴4年(大学~社会人)
私は、サッカーが大好きで小学生の時に町クラブに所属し、大学まで続けました。フットサルとは大学在学中に出会い、そしてフットサルにのめり込んでいきました。そんな中、初めて経験したのが「フットサル審判員」でした。大学時代にクラブの方針でサッカー4級審判員の資格を取得しましたが、精力的ではありませんでした。大学卒業後は社会人フットサルチームに所属し、フットサルを続けました。
チームは当時、県リーグに所属しており帯同審判員が必要だったこともあり、仕方なくフットサル4級審判員を取得しました。審判員として試合を経験する中で、少しずつ魅力を感じ始めた時、フットサル1級インストラクターの方に「君ならFリーグのピッチに立てる。1級審判員を目指してみないか」と言葉を頂いたことを今でも覚えています。その言葉で火が付いた私は、そこからプレイヤーを引退し、審判員1本で活動することになりました。
広島県内の1級審判員の先輩にトップレフェリーに求められること、フットサルのトレンドなど多くのことを学び、中国地域の仲間と切磋琢磨しながら、4級を取得して6年後に1級審判員となりました。そこからFリーグ担当審判員として活動し2025年にFIFA国際審判員に登録していただきました。そしてこの1年間は、審判交流プログラムとしてタイリーグDIV.1への参加、インドネシアや日本での国際試合、今年より開始されたAFCアカデミーへの参加(AFC FUTSAL REFEREE ACADEMY BATCH 1)など数多くの貴重な経験をすることができました。


〇フットサルレフェリーの魅力
私は「フットサル」という競技に魅せられ、夢中になっていきました。そんな競技を審判員として支えていくことに決めた私は、「フットサル審判員の魅力」についても多く感じています。サッカー審判員を本格的にしたことがない私ですが、サッカーとの違いにも触れながら魅力を紹介していきます。



1. フットサルの競技特性からくる、スピード感と戦術の多様さ
フットサルは展開が非常に速く、ピッチはサッカーの約9分の1であるため、ゴール前の駆け引き、激しい切り替え、選手の技術、激しいフィジカルコンタクトなどフットサルならではの魅力を、最前線で体感することができます。またフットサルにはタイムアウトがあり、戦術を確認する時間があります。またサインプレーなどもあるため、とても戦術的でバスケットボールにも近い性質があり、ゲームの流れや競技者の意図、ゲームが期待することをより意識しながらゲームを運営していきます。またテクニカルエリアが近いこともサッカーとは違う難しさであり、魅力でもあります。
2.仲間と奏でるハーモニー
フットサルの試合では2人の笛を持った審判員がいます。(主審と第2審判が笛を持って判定する)説明するまでもないと思いますが、相手のレフェリーとはフットボールの価値観や判定基準、マネジメント方法、走力やスキルなど全てが違います。そんな中、2人で合わせながら試合をコントロールしなければいけません。とても難しい作業ですが、私はここに一番の「魅力とやりがい」を感じています。
試合の中で、自分がファウルと思っていない事象も相方が笛を吹いてファウルと判定すれば、あたかも自分もそう判定したかのように演じる時もあります。同じ状況でも時には、競技者に「あれは相方のレフェリーが吹いたんだ、見えないところを協力しているんだよ」と返すこともあります。バックグラウンドが違う相方と、息がピッタリ合うことがあります。二人で同時に笛が鳴る、タッチジャッジを間違えた時に相方がすぐに訂正してくれる、同じ判定基準で相方とハーモニーを奏でることが出来れば、力は3倍にも4倍にもなります。そして自身が持っている力以上のパフォーマンスが発揮され、安心で安全な試合環境が提供できるのです。

国内で行われた国際親善試合(ブラジル戦)では世界トップのレベルを肌で感じた。

〇サッカー審判員の方へ
中国地方は、他地域と比べてもフットサル審判にとても理解のある地域で、開幕前研修や懇親会等に前田審判委員長をはじめとするサッカー関係者の方が定期的に参加してくださり、フットサルレフェリーに対してもフルサポートしてくれる環境が整っています。そのため多くのサッカー審判員がフットサルにも興味を持ち、毎年資格取得にチャレンジしてくださることは素晴らしいことで、私はこの中国地域に属していることを誇りに思っています。
ただ、昔の私はそのような考えを持つことができていなかったように思います。私はサッカー審判員をほとんど経験せず、専属のフットサル審判員として活動してきました。数年前はサッカー審判員がフットサル審判員を兼業するという流れが主流でしたが、最近では私と同じようにサッカー審判員を経験せず、フットサル審判員のみをする人たちも増えてきています。
2級や3級時代は、心のどこかでサッカー審判員に対抗心を燃やし、「フットサルというものは・・・」「フットサルの審判というのは・・・」と勝手に壁を作っていたようにも思います。そんな中、毎年のように多くのサッカー審判員がフットサルにも興味を持ってくれて仲間になっていくのですが、その方々が口を揃えていうことがあります。それは「フットサルの審判はこんなに楽しくて難しいと思わなかった」「フットサルのレフェリングスキルはサッカーにも活きるし、きっとサッカーのレフェリングスキルがフットサルにも活きると思う」と話してくれるのです。

国外にも多くの仲間ができました。

私はサッカー審判員の方々と関わる中で、色々なことを学ぼうとするオープンマインドな姿勢と、フットボールファミリーとしてフットサルも素直に受け入れるその懐の深さに感銘を受けました。そこからは、私自身もサッカーから学べることもいっぱいあるかもしれないと思うようになっていきました。サッカーのレフェリングに注目するようになり、サッカーを兼業で行う審判員にも意見を訪ねるようになりました。特にアドバンテージのタイミングや、プレーヤーマネジメント、ゲームマネジメントの上手さはとても参考にしているところです。
つまり何が言いたいかというと、同じフットボールファミリーとして少しでも興味があればぜひフットサルの世界にも飛び込んで欲しいのです。双方にとってきっと有益なことが多くある(スキル面や人脈も含め)と私の経験から思うのです。
フットサル審判員も若返りを図っており、国際審判員候補を発掘しようとJFAも多くの働きかけを行っています。もちろん若くて才能のある審判員の発掘に地域も取り組んでいますが、フットサルの世界では30代や40代の審判員にも1級になる可能性があるのです。(私の1級同期には35歳で合格した審判員が2名いた)また地域で活躍したいと思う審判員にも活躍の舞台は多くあり、実際にサッカーと並行しながら中国地域のトップリーグ(中国フットサルリーグ)で活動していただいている審判員の方も多くいます。
ぜひ少しでも興味があればフットサルの世界にも飛び込んでほしいですし、サッカーで培ったノウハウや経験をフットサルに還元してもらいたいです。そして私も、国際大会やFリーグで経験してきたことを、サッカーに還元していけたらと思っています。
私たちは同じ志を共にするフットボールファミリーなのです。
フットサル国際審判員(Fリーグ担当審判員)
脇田 栄太